-米国の社会起業家(Social entrepreneurs in US)-

Last updated 2007.06.02

■2005年8月27日
日米ソーシャルイノベーションフォーラム アショカ財団ビル・カーター氏発表資料・・PDF版ダウンロードはこちら

Bethのスピーチ at TAC (溝田翻訳)

本稿は、2002年3月15日、東京アメリカセンターにて開催されたシンポジウム「新たな社会とビジネスの関係」でのスピーチを翻訳したものです。
 
社会起業家精神とは

ベス・アンダーソンBeth Anderson
Senior research associate, Duke University The Fuqua School of Business

 「社会起業家精神」とは、一般の市民が社会的ニーズに対して斬新な答えを生み出すという取り組みです。昨今、「社会起業家精神」という言葉が流行してきましたが、実は、この活動はすでに世界中で行われ、長い歴史を持っています。例えば、看護のパイオニアであるフローレンス・ナイチンゲールは、19世紀に初めて看護婦専門学校を設立し、イギリスの病院改革を行いました。1900年初頭、イタリアでマリア・モンテッソーリ博士は国際的に評価の高い児童教育手法を開発し、子供が共に教えあう適切な環境を強化しました。彼女が作った教育法は、日本を含む世界中の何千というモンテッソーリ学校で使われています。最近ではモハメッド・ユナスの設立者であるグラミーン・バンクは、1976年にバングラディッシュで土地を持たない女性に対し、小さな自営業のための融資を始めました。彼の成功は、世界中にマイクロクレジット(小額の短期融資)の基礎を築いたことです。そして日本でも古野たかお氏は、アヒルを放つことで雑草・害虫を管理し、肥料を生み出すという古代の有機稲作農業の技術促進によって稲作農業を大改革しようとしています。

これらの人々をつなぐものは何でしょうか?一人一人としてみた場合、彼らは変化をもたらし、機会を認め、新しい団結を行うために資源を動員し、価値を生み出すという起業家の本質を見せてくれます。ナイチンゲールは看護という新しい産業を、モンテッソーリは児童教育の新しい手法を、ユナスは地方の貧しい人たちという新しい市場に金融サービスを生み出しました。そして、古野氏がもし成功したら、化学肥料と過酷な労働に頼る現在の稲作農業を、あひるというさらに生産的で環境的にも維持可能な供給資源を生み出すことになるでしょう!

これらの個人は起業家ですが、彼らは社会起業家としてさらに有名です。何が人を社会起業家にするのでしょうか?理想的な定義としては、5つの基本的な活動が考えられます。社会起業家は、社会セクターの中で、ポジティブな変化を促進させますが、その方法は次の5つです。

1.社会価値を創り出し、維持するためにミッションを採用する
2.このミッションを達成するためにねばり強く機会を追い求める
3.継続的な変革、調整、学習を行う
4.現在手元にある資源に制限されることなく大胆に行動する
5.顧客と成果に対して、アカウンタビリティの意識を強化する

それでは、これらの特徴についてもう少し詳しくお話しましょう。

<社会価値の創造>
社会価値の創造は、社会起業家にとって基本的なミッションであっても、経済的価値ではありません。それは、従業員、投資家にとっても同じですし、顧客にとっての個人的消費価値でもありません。確かに、顧客は商品やサービスから直接利益を得ることが多いですが、さきほど述べたように、包括的なゴールは、医療システムの向上、教育改革、障害者への資源提供、経済的に維持可能な方法による環境保護を行うことによってポジティブなインパクトを社会に与えることです。

<ミッションを達成するためにねばり強く機会を追い求める>
人が問題に目を取られていても、社会起業家は、機会を求め、トレンドと行動の新しいパターンを認識しています。例えば、インターネットとWWWの出現は、人々のコミュニケーションの方法を変えました。多くのポジティブな利益とともに、新しい問題も生じてきましたが、カーティス・スリワは機会とみなしています。スリワは、子供、若い人やその家族が安全に外を歩けるように、ボランティアでパトロールを行う人の教育組織「ガーディアン・エンジェル」を20年以上前に設立しました。彼はまた、インターネットによってもたらされる恐怖を認識し、情報ハイウェーに右往左往するチャットルームの天敵や不正行為、不法な児童ポルノを取り締まる「サイバーエンジェル」も設立しました。スリワは、子供や家族を安全にするという社会的ミッションを達成するため、新たな問題を機会に変えていきました。

<継続的な変革、調整、学習を行う>
勘違いをしないで欲しいことがあります。社会起業家は、いつも斬新なアイディアや画期的な発明を生み出しているわけではありません。実際、アイディアや発明を生み出そうとする試みはあまり成果を出しているわけではありません。むしろ、変革とは、社会的ミッションを達成するための新しくてより良い方法を作り出すことです。例えば、1968年、ウォルター・ターンベル博士は、音楽を通して芸術的才能、希望、文化的遺産を表現するため、教会から少年を招きました。教会の地下で行われた最初のリハーサルに20人の少年が参加し、「ハーレム少年コーラス」の形成となりました。今日、ハーレム少年コーラスは、世界中でコンサートを行い、そのチケットは常に完売です。しかし、この組織が、高いリスクを抱えた市内の学生の社会的、教育的、開発的ニーズに対処するため1年間の芸術や教育機関に550人の少年少女を入学させていることはあまり知られていません。定期的にプログラムを革新、学習、調整させることによって、ターンベル博士は、多くの少年少女をより包括的アプローチで実りある成人期に向かわせ、大きな社会的インパクトを作るという芸術的成功を達成してきました。

<現在手元にある資源に制限されることなく大胆に行動する>
社会起業家は、資力に富んでいます。彼らは、社会的ミッションを達成し、受容能力を培うために、資源を動員します。グレン・ロペスは、アメリカで医師研修を終えた後、グアテマラに戻って田舎の貧困者に医療を提供したいと望んでいました。その活動を維持していく寄付金集めが困難であることを認識した彼は、代替案を考えました。彼は農園主に敷地内にクリニックを作るための費用と、彼らの従業員の医療サービス費を負担してもらうよう要請し、従業員にもわずかですが、協同の負担を要求しました。農園主からの投資が始まり、それは維持可能なモデルとなりました。ロペスは、彼が提供したいサービスに対して既得権をもった第3の団体を見つける能力に秀でていたし、農夫たちは、財政的支援を行うだけでなく、社会的ミッションを遂げるのに必要な財、信用、関係まで貢献しました。

<顧客と成果に対して、アカウンタビリティの意識を強化する>
実績評価をすることはとても難しいですが、社会的ミッションを持っている本当の社会起業家は、可能な限り実績を監視し、評価することで価値を創造できると考えています。ネイチャー・コンサーバンシーの前CEOであるジョン・ソーヒルの例を紹介しましょう。ジョン・ソーヒルがTNC(ネイチャー・コンサーバンシー)にきた1990年、組織は、「バックスとエーカー」という方法で成功を評価していました。バックスとは調達した資金の額で、エーカーとは得た土地のことで、設立以来、劇的に資金と土地を増やしていました。TNCは、資金調達と土地獲得による自然保護で種と生息地の保存というミッションを達成してきたので、その評価方法は適切であるように見えました。しかし、ソーヒルは、彼らが保全していたと思っていた種と生息地は、多くの場合、生態システムに対する外的影響によって傷つけられ、危険にさらされているため、土地を購入して、柵をめぐらすだけでは十分ではないことに気づきました。TNCの明らかな成功と広範囲に及ぶ支援にもかかわらず、ソーヒルが組織の実績の測定基準と戦略全般の見直しを徹底的に行ったのは、土地だけでなく、種と生息地の保存という社会的ミッションの説明責任を明らかにしたかったからでした。

社会起業家は、革新性に富み、資源を有効に活かし、それを機会として、社会的インパクトを説明しうる社会的価値を創造します。しかし、社会起業家は、目に見える個人に限っているわけではありません。事実、伝統的NPOや営利ビジネス企業でさえ社会的起業活動を行っています。

社会起業家とビジネス

NPOは、プログラムやビジネスをはじめるときに、ビジネス手法を用います。これらの多くの活動は、寄付補助への依存を減らすだけでなく、顧客に力を与え、プログラムの範囲を拡大し、不可能であった価値ある訓練やサービスを提供することによって社会的ミッションを達成できるようにするかもしれません。「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」は、コミュニティボランティアが経済的に優位でない人々が、一緒に家を建てられるように支援します。ハビタットは、家が必要な人に家を与えるだけではありません。彼らは将来の家の所有者にも家を建てるボランティアと一緒に働くことを要求しますし、建てた後も、新しい家の所有者が無担保で、無理なく支払いができるようにします。ハビタットの支援を受けた人々は、チャリティの対象者というだけでなく、新居で誇りと所有権の意識を持つこともできます。

サービスを提供する新しい第三の市場を探しているNPOもあります。アメリカの多くの大学がリサーチを行うために主要な製薬会社やバイオテクノロジーの会社と契約をかわしています。住宅所有者のためにエネルギーと水の節約改良方法を提供するカナダの環境団体「グリーンセイバー」は、マーケティングを行い、エネルギー会社と公共事業に対し、彼らのコストを下げるこのサービスを販売したりすることでそのコストをカバーしています。コストのいくらかをカバーするために新たなマーケットを開拓することは、彼らが少ない資源で顧客を得たり、慈善的な支援を必要とする活動を他の事業収益で維持出来るようにします。

NPOが独自のベンチャービジネスを始めることもあります。コミュニティガーデンを作ったロサンジェルスの高校生は、地域のファーマーズマーケットで農産物を売り始めました。今は、ナチュラルなサラダドレッシングやアップルソースを、地域のスーパーマーケット、健康食品店やインターネットで売っています。会社の利益は、オーナーである学生の奨学金となり、生産の25%はコミュニティで生活困窮者としている人に寄付されます。さらに、たくさんの社会サービスNPOが、パン屋、レストラン、引越し屋、翻訳サービスを行う会社向けのオフィス用家具製造を始めています。これらのビジネスは、純粋な収入を生み出すだけでなく、ホームレス、薬物乱用者、心身障害者、前科のある人など、そうなるリスクを持った人に雇用と職業訓練を提供し、ミッションの達成にもつながっています。

ビジネス企業とNPOはまた、お互いの社会的、経済的利益のためにも提携します。飢餓撲滅団体はアメリカンエクスプレスと提携し、飢餓撲滅運動と慈善運動に関連したマーケティングキャンペーンを行い、4年で2100万ドルの寄付を集めました。これは世間の関心を高め、カードを受け入れる業者、従業員、顧客は、アメリカンエクスプレスを良き企業市民とするようになりました。アウトドア用アパレル製造者ティンバーランドは、ブーツやユニフォームをシティイヤーというNPOのユースサービスプログラムに寄付し始めました。そのときからティンバーランドとシティイヤーは、シティイヤーギアという卸売り業を始め、シティイヤーはティンバーランドの従業員にチーム形成など教え、アウトレットを従業員のコミュニティサービスに提供し、ティンバーランドは、シティイヤーにユニフォーム提供に加え、ビジネス専門家と資金を提供するという相互の利益のために資源とサービスを共有し合いました。このパートナーシップは、フィランソロピーの関係から双方の戦略へと発展しました。ネーチャーコンサーベンシーと製紙会社のジョージア・パシフィックというライバル同士の会社も協働の方法を見つけています。これらの二つの団体は、環境的に持続可能な方法で森林地を守ることでパートナーを組んでいます。

そして、いくつかの営利企業は、明確な社会的ミッションを作っています。教育マネジメント会社であるラーンナウは、コミュニティベースの団体や教育者とともに、低所得コミュニティで公立学校を運営しています。創設者は、非営利として始めましたが、企業資金としての寄付を募るほど十分な持続する決定的なインパクトがないことに気づきました。そこで、彼らは、ビジネスプランと経済モデルを開発し、投資を募り、低所得コミュニティから責任ある市民で将来のリーダーとなる多くの学生を育てました。昨年、ラーンナウは、株式公開した最大の公立学校運営会社のエディソンスクールと合併しました。

これらの活動は、社会価値の達成においてビジネスツールや商業的な方法を用いる傾向がある、システム的で持続可能な解決方法を追求する傾向がある、という2つのトレンドによって特徴づけられています。それでは、何が社会起業家精神におけるこれらの新しいトレンドに貢献しているのでしょうか?アメリカでは少なくとも次のようないくつかの付随する現象があります。

1. ―般的に、政府や慈善的な戦略の効率性に対する疑心があり、「ニーズに応える」ことから「ニーズを減少させる」、つまり、慈善的救済からシステム的解決、社会支出から社会的投資へと、発想を改めさせるようになってきた。
2. 社会セクターと政府の関係は変化しました。政府支出の削減は、公的サービスの民営化を増加させるようになり、政府は営利や非営利組織と定期的に契約を交わす。
3. 減少した公的資金は、気まぐれで、信頼性がなく、時間のかかる伝統的なフィランソロピーに失望感もあり、他の収入源を求める社会起業家を生んだ。
4. 昨今の劇的な富の形成によって、特にビジネス起業家とベンチャー資本家のなかで、投資に対する社会的リターンにより関心のあるフィランソロピストが生まれるようになった。このトレンドは、主要な財団や企業をニーズベースから成果ベースや戦略的資金拠出型になってきた。同時に、「ベンチャーフィランソロピー」の動きが起こり、ベンチャー資本とビジネスの実践を非営利との資金関係に持ち込んでいる。これらの長期投資を含む経験は、組織的キャパシティの形成、結果と成果の評価に注目している。全体としてベンチャーフィランソロピストは、特別なビジネスの専門、コンサルティングアドバイス、ネットワークへのアクセスなど、非営利の投資される会社にとってお金以上の貢献を行いたいと思っている。

これらのトレンドは社会が社会的に重要な財とサービスの分配というアプローチを変化させています。それらはセクター同士の境界線をあいまいにし、社会セクターがもっと社会起業的でビジネスライクとなるように導いています。それはすばらしい経験と学習の時期に来ているといえますが、社会起業家はまだ多くの複雑なチャレンジに直面しています。

社会起業家の評価と課題

業績評価は、非営利やパブリックセクターにとって常にやり甲斐のあるものです。しかし、社会価値は、タイムリーで信頼できる方法で評価することは難しいことです。例えば、伝統的な銀行にアクセスをもたない個人やスモールビジネスにローンや金融サービスを提供するコミュニティ経済開発団体のインパクトをいかに図ることができるでしょうか?たとえ、提供したローン、不履行率、口座開設などの記録をとったとしても、コストのかかる顧客の人口、経済データと同じように、コミュニティ経済開発の指標となるでしょうか?もし、個人レベルよりも人口や、経済状態における変化を考慮するなら、教育、医療、犯罪正当性、公共事業をどのようにコントロールしますか?評価方法にかかわらず、経済開発は、長期的プロセスで、短期的に意味のあるポジティブまたはネガティブなインパクトを図るのは現実には難しいのです。

社会価値は、また、個人の好みや考え方によっても異なるため、広く議論されています。プランド・パレントフッドの創設者マーガレット・センガーは、アメリカの有名な社会起業家としてよく取り上げられます。しかし、誰もが家族計画とリプロダクティブ・ヘルス・ケアに対する彼女の哲学に同意しているわけではなく、個人の考え方に反し、ネガティブな社会価値に貢献しているだけという人もいます。評価問題に加え、社会起業家は、社会変化の達成においてより難題に接しています。多くの難題は、特別の戦略や実践に関連しており、理事会を通して、社会セクターの強い文化的規範がまだ存在しています。多くの非営利組織の従業員、寄付者、ボランティアはビジネス用語や実践を用いることに違和感を持っており、ビジネスコンセプトを紹介しようとしている人々の価値や動機に懐疑的だからです。彼らは、サービスのマーケティングを行ったり、顧客を変えたり、企業とパートナーを組むことに違和感を持っています。また、ビジネスライクに活発に活動することで、組織が社会的ミッションから乖離し、最も困難な問題に対処し、最も必要としている人にサービスを行う資源が届かず、ミッションが押し流されてしまうことを恐れています。

NPOはまた、伝統的に営利企業よりも安い給料しか出してこなかったため、必要な人材と組織に必要なビジネススキルがありませんでした。さらに、非営利セクターは、全体として、スモールビジネス、地方自治、コンセンサスの取れた意思決定などに対する偏見を持っていたように見えます。これらの規範は、社会起業家の努力や野心から見れば奇妙なことかもしれません。一つのコミュニティで成功したプログラムをもつ社会起業家は、他のコミュニティに同じように革新的な方法を展開させることは困難であることを知っています。財源などに加え、すばらしい評価を提供することの難しさは、問題の原因となっています。文化的規範や偏見も重要なハードルになっています。最後に、競争相手となる非営利と営利の相互関係、不公平な競争、営利企業が強化する競争的なプレッシャーなど、ビジネスに対する疑問も起こり始めています。

私がお話してきましたトレンドや問題の多くは、一つの決定的な例を示すことでよく理解できると思います。1987年、医療専門家のグループが集まり、「ヘルプ・ザ・ワールド・シー」という団体を作りはじめました。ヘルプ・ザ・ワールド・シーは、発展途上国の窮乏地域へ一時的に目の治療のためのフィランソロピーの派遣団を送りました。この派遣団に加わったアメリカの医者と眼科技術者は、生活困窮者に無料で目の検査、目の基本治療、めがねを提供するべき国へ旅行し、自分の時間を割いてボランティアを行ました。その派遣団は補助金と寄付金から実行され、アメリカ人から寄付されためがねのリサイクルが活用されました。少ないフィランソロピーの財源でしたが、派遣団は10年間で10万人の患者を救うという成功をおさめました。派遣団が送られてから数年後の1992年、ヘルプ・ザ・ワールド・シーは、ベリーズ(中米)で、わずかな負担金で田舎の救貧者に継続的な眼科治療と目の検査を提供する、永久的な「自己維持」クリニックを始めました。起業の資金は補助金で賄いましたが、ゴールは、自給自足の運営を行うことでした。ヘルプ・ザ・ワールド・シーは、住民にお金を払い、検査やめがねの処方箋が出せる訓練を受けさせ、住民たちは、限られた身近な寄付と、めがね用品のディスカウントに頼りました。

この二つのアプローチを比較してみましょう。これらのモデルは、社会起業的ではあります。つまり、彼らは機会を認識し、資源を集め、新しい組み合わせを開発し、価値を形成しています。そして、それぞれが、長所と短所を持っています。フィランソロピーの派遣団は、最も救貧な人にサービスを提供し、ボランティアにはパワフルな経験を提供し、中古のめがねを使うという無駄になった資源の活用という新しい価値を形成しました。しかし、サービスは一時的なものにすぎず、混在する問題を捉えるというよりは、ニーズに答えるだけの活動であったため、活動は、補助金と寄付に完全に頼っています。永久的なクリニックの方がはるかに社会起業家精神における昨今のトレンドを象徴しています。つまり、彼らは地域のキャパシティを形成し、問題に対する持続可能な解決を提供することを求め、顧客にわずかな個人負担をさせるという商業的方法を用いました。そうすることで、彼らは、フィランソロピーの補助金に対する依存を減らしています。しかしながら、これらのクリニックは、全くお金を払えない人から20%の救貧層にはサービスを提供することができませんでした。しかし、継続的クリニックは、地域の医者にかかる余裕はないが、いくらかを払うことができるという人の65%に提供することができました。

その後、どうなったでしょうか?ベリーズの永久的クリニックは非営利が商業的方法を用い始めたとき、あまり一般的ではなかったハードルに出会いました。地域の4人の眼科医は、クリニックが提供しているケアの質と、不当な競争を巻き起こしていると地域の医療権威者に苦情を訴えました。ヘルプ・ザ・ワールド・シーはこの苦情に対し、次のような声明を出しています。
・ クリニックの行う活動は、視力に関するめがねの処方を出し(90%)、他の治療においては地域の眼科に行くよう紹介することで患者と同意している。
・ ヘルプ・ザ・ワールド・シーは、現地の眼科医の一人を雇用し、彼のオフィスでパートタイムで働いてもらっている。
・ まだ少数ではあるが、眼のケアを促進するパブリック教育プログラムとメディアキャンペーン(クリニックの名前は明らかにしていない)を行った。

クリニックは、貧しい顧客から個人負担費徴収の困難さに直面し、収支をとんとんにできないままにいました。社会起業家が顧客に物やサービスの代価を払わせようとすることは、社会的ミッションの達成に合わず、非営利や顧客の間で築かれた信頼関係を壊す恐れがあります。これは、非営利が商業的方法を受け入れるとき、多くの社会起業家が直面する緊迫した問題です。

結局、ヘルプ・ザ・ワールド・シーは、クリニックと派遣団を二つの異なる組織に切り離しました。彼らは途上国の地域レベルとアプローチでの運営レベルで異なるスキルを必要とした二つのモデルを認識しました。彼らは、一つの組織内で二つの異なる運営モデルを持つことは、創設者と資源提供者を混乱させることも認識しました。ボランティアの医者と技術者は、派遣団を楽しみ、寄付者は支持を継続し、アメリカ人はめがねを寄付し続けており、派遣団は、救貧者にかなり効果的にサービスを提供していたので、継続することにしました。永久的眼科クリニックは、自給自足にまでは完全に到達していませんが、ヘルプ・ザ・ワールド・シーは、彼らが十分な社会価値を形成し、ミッションによって解決することができなかった問題に対処していることを認識し、新しいクリニックをボリビア、コロンビア、ホンジュラスに開設するまでサポートしつづけています。

ヘルプ・ザ・ワールド・シーの例が示しているように、今日の社会が直面している困難な問題に対処するには、慈善的救済とシステム的解決を形成する試み、フィランソロピー的及び商業的手法をブレンドするための場所とニーズがあるように見えます。慈善的支援を減らし、社会的価値と経済的価値を合わせ、乏しい資源の有効活用の促進といった、より偉大な社会起業家精神に向かいつつあるといったトレンドが活発になってきています。しかし、彼らは、社会のすべてのニーズに対応できるわけではないので、従来のフィランソロピーの機会、企業や個人のコミュニティ関与、ボランティア支援は伝統的なスタイルで行われていくでしょう。社会起業家精神が継続して、成長、発展、失敗と成功の経験をしていくとき、私たちは、人類学者マーガレット・ミードの言葉を思い出しましょう、「心をこめて責任を持った市民による小グループが世界を変えることが出来るということを疑ってはいけません。事実、それこそがかつて経験した唯一のものなのです。」
Never doubt that a small group of thoughtful, committed citizens can change the world. In fact, it's the only thing that ever has.

翻訳:溝田弘美

Deesの米国社会起業家の定義について(新谷レジュメ)米国各センターの定義(未)

事例:米国のコミュニティ・デベロップメント・バンクの活動について−ShoreBankのケースを中心に(NPO学会ポスター提出唐木レジュメ)

 

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