SDGsの達成にむけた福岡県の取り組み~政府との連携も解説
SDGs-持続可能な開発目標の概要

※当記事は2022年12月15日時点の情報を基に作成しております。
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、Sustainable Development Goalsの略で、日本では「持続可能な開発目標」とも呼ばれています。
簡潔に説明すると、「世界中のさまざまな課題を持続可能な方法で解決していこうという計画・目標」のことで、基本理念として「誰一人取り残さない」社会の実現を掲げています。
「持続可能な~」は、「自然環境や資源を守りながら、活動を将来もずっと続けていくことができる」、「開発」は発展や進歩をそれぞれ意味しています。
2015年の国連サミットで加盟193か国により採択されたSDGsは、17のゴールで構成されており、現在地球が抱える、環境・差別・貧困・人権・経済・社会・紛争・気候変動など広範な課題を包括的にとらえた格好です。
地球を守り、人間社会の文明・経済活動を存続させるためには、これらの問題を解決していかなければならず、具体的には2030年までの達成を目指しています。
なお、日本政府は2018年に開かれたSDGsに関するフォーラムで“オール・ジャパン”で全国一丸となってSDGsを推し進めること宣言。
さらに、積極的にSDGsに取り組む自治体を「SDGs未来都市」に選定するなどし、政府が地方を支援しながら、全国的な活動を加速させています。
福岡県が取り組むSDGs

福岡県では、様々な取り組みが認められ、SDGsを実現するポテンシャルが高い都市・地域として4つの自治体が国から「SDGs未来都市」に指定されています。
SDGs未来都市に指定された福岡県の自治体
2018年度 | 北九州市 |
2019年度 | 大牟田市、福津市 | 2020年度 | 宗像市 |
2022年度 | 直方市 |
2022年に新しく指定された直方市では、"未来へつなぐ「ひと・まち・自然」~Road To 2030 Team NOGATA~"という直方市の自然や歴史・文化、産業技術をはじめとする財産を次世代につなぐための提案が評価されました。
「のおがたSDGs推進プラットフォーム」や、「のおがたSDGsパートナー制度」などの計画を具体的に指し示した優れた提案といえます。
さらに 2022 年に福岡県独自に策定された「福岡県総合計画」や、「福岡県環境総合ビジョン」では、「誰もが安心して、たくさんの笑顔で暮らせる福岡県」を目指して課題や施策をまとめおり、これらはSDGsの理念や考え方と同じ方向性をもっています。
積極的に取り組んでいくことによってSDGsの推進にもつながっていくとしています。
ジャパンSDGsアワードの受賞
ジャパンSDGsアワードとは、SDGs達成に向け、優れた取組を行っている企業・団体等を、SDGs推進本部が表彰するものです。
福岡県では以下の企業・団体等が受賞しました。
2017年度 | ・SDGsパートナーシップ賞(特別賞):北九州市 |
---|---|
2019年度 |
・本部長(内閣総理大臣)賞:魚町商店街振興組合(北九州市) ・副本部長(内閣官房長官)賞:「九州力作野菜」「果物」プロジェクト共同体(代表:イオン九州株式会社)(福岡市) ・SDGsパートナーシップ賞(特別賞):大牟田市教育委員会(大牟田市) |
「福岡県SDGs登録制度」とは
昨今、企業や団体は経済活動を通して社会の課題を解決していくことを求められています。
「福岡県SDGs登録制度」は、SDGsに積極的に取り組み、社会の課題の解決へアクションした企業や団体を県が公表し、その貢献を「見える化」するものです。
企業や団体側は、新たなビジネス機会の創出や認知度・信用力の向上などのメリットが期待できます。
登録事業者は、活動にあたって以下の支援を受けることができます。
(1)県ホームページでSDGsへの取組を紹介
(2)県のオリジナルロゴマークを使用できる
(3)「ふくおか県政推進サポート資金」が活用できる
(4)商工団体や金融機関による伴走支援などを受けられる
福岡県では上記登録制度のほかにも、優良事例について取りまとめた「福岡県SDGs取組事例集」や、福岡商工会議所の運営する「SDGs fukuoka」というサイトで、SDGsに取り組んでいる企業の先進事例を発信しており、これから活動したい企業の後押しとなっています。
例として、がん患者が安心できる居場所づくりや、ジェンダー平等の実現のため学校・家庭・地域が連携して女性や子供の見守り活動を行うなどの、多岐にわたる優良事例が取り上げられています。
「一般社団法人 福岡SDGs協会」とは

「一般社団法人 福岡SDGs協会」は『誰ひとり取り残さないまち福岡』への実現を目指す一般社団法人です。
「活動支援」「情報発信」「導入支援」という三本柱を軸にSDGs達成に向けて積極的に活動しています。
まずは、福岡にSDGsの輪をひろげることを最初のねらいとし、SDGs情報のプラットフォームとして成果をあげています。
セミナーなどの啓蒙活動にも注力しており、小学生から大学生まで幅広い世代の学生に向けて無料で講演会などを実施。
そのほか、フードバンクや子ども食堂といった、SDGs関連の活動をしている団体への寄付や、SDGsを導入したい企業のコンサルティングを行うなど様々な取り組みを積極的に行っています。
最後に
SDGsは基本理念として「誰一人取り残さない」と謳っている通り、地球に生きる世界中の人々の共通の目標です。
達成するためには我々一人ひとりが関心を持ち行動することが大切です。
まずは難しく考えず、節水・節電など誰でもできることから少しづつ生活に取り入れ、SDGsの輪を広げていきましょう。