医療ファクタリングの仕組みを解説!資金繰り・人手不足問題解決へ

診療報酬などを買い取ってもらう医療ファクタリングを利用すれば、資金繰り問題を改善できるうえに人手不足の解消にもつながるとして医療・介護業界から注目されています。

医療ファクタリングとは

診療報酬の仕組み

医療ファクタリングとは、医療機関が診察・治療などで得る「診療報酬」をファクタリング会社に買い取ってもらう現金調達法です。
主に診療報酬、介護報酬、調剤報酬等を用いたものを総称して「医療ファクタリング」と呼ぶことが多く、医療機関における資金問題解決の一打として期待されています。

医療業界の現状

年々医療業界へのニーズは高まり、2019年現在、すでに需要と供給のバランスが不均衡となっていることが叫ばれています。
医療業界は少し特殊なもので"労働に対する考え方"や"資金調達の悩み"など、高度な知力・体力のいる業界が故に「人員不足」が問題視されています。
加えて、西日本では特に2025年辺りに医療需要のピークが予想される地域が多く、大阪府や福岡県、兵庫県を含めた東京都、神奈川県、愛知県、北海道などの主要都市では、高齢者の人口が約60%近くも上昇することが予想されています。
人員補充・需要と供給のバランス・資金繰りなど様々な問題が加速し、それぞれの解決方法を見つけなければいけません。

介護業界の現状

日本ではすでに国民の28.1%以上が「高齢者」です。
高齢者が増えれば増えるほど介護施設の需要が上がっていきますので、このままですと2035年には79万人もの人材が必要になると予想されています。
このように、医療業界と同様に人員不足が深刻な問題となっておりますが、経営を行う上では「物価の高騰」にも着目せねばなりません。
介護施設には様々な設備が必要である上、通いやすい立地、送迎のための車両等、多くの運営資金が必要になります。

医療・介護業界の資金繰りへの一石

手からお金が出ている様子

上記の通り、医療・介護業界では人手不足が最も深刻な問題と言っても過言ではありません。
しかしながら、人員の募集・ベースアップなど、スタッフの確保には何かとコストが掛かるものです。
なお、診療報酬は医療行為に対する報酬の7割が保険者負担となり、その場で貰える報酬(所謂「自己負担分」)は3割程度となっています。
診療報酬は医薬品・機材費に使われるのはもちろんのこと、なによりも「人件費」に関わってくる非常に大切なお金なのですが、保険者負担分については請求内容が正しいのかをしっかりと審査した上で振り込まれます。
そのため、振り込まれるのは診療を行ってから2~3か月後と、回収までに非常に長い期間が必要となります。
そんな医療業界の常識に一石を投じたのが「医療ファクタリング」なのです。

診療報酬は高額で取引

医療ファクタリングは原則として3社間ファクタリングで進められます。
基本的に3社間ファクタリングは、取引先にファクタリングの事実が伝わってしまい、信頼関係に発展する危険性も示唆されています。
しかし、診療報酬の場合、売掛先は保険者(正しくは審査支払機関)ですので、債権が譲渡されたことが知られても今後の取引に影響を与えるものではありません。
また、地方公共団体や組合が相手であるため倒産や貸し倒れのリスクがなく、高額で取引されているという点も医療ファクタリングの特徴です。

ファクタリングで解決を

介護の現場

医療業界の資金繰り問題の解決は、今後深刻化が問題視されている「人手不足」の解決にも繋がる非常に重要な課題です。
特に西日本を含む地方圏では2025年を境に団塊世代の高齢化が一層加速する予測がされています。
このような事態を解決するための手段の1つとしても、ファクタリングは大きな期待が寄せられています。
地域密着かつ業界特化のサービスを展開しているファクタリング会社の利用が、業界、ひいては地方の活性化を促すのではないでしょうか。