昔ながらの町工場から大企業まで~神奈川県のビジネス事情

横浜市をはじめ、川崎市や相模原市といった都市が存在感を放つ神奈川県。県内総生産額をはじめ、盛んに行われているビジネスや商習慣等についてご紹介してまいります。これからビジネスを始める方は是非チェックしてみてください。

製造業が盛んな「神奈川」

横浜港に並ぶクレーン

横浜のイメージが強い神奈川県ですが、実は同エリア以外にも産業や観光地、有名企業が数多く存在しています。
例えば、電化製品のパイオニアであり2020年度の売上が年間3兆5,897億を誇る「富士通株式会社」は川崎市、関東を中心に200以上の店舗を持つ「株式会社ノジマ(nojima電気)」は相模原市がそれぞれ本拠です。

その他、建設業者数が東京・大阪に次ぐ第3位(令和3年3月末時点)となっており、製造業を中心に様々なビジネスが行われています。
当ページでは、神奈川県の盛んなビジネスやその特徴・傾向、魅力等についてご紹介してまいります。

全体の約20%が製造業

経済活動別の構成比グラフ

神奈川県が発表した「平成30年度神奈川県県民経済計算」によると、神奈川県の主な経済活動別の構成比は製造業が20.9%・不動産業が15.3%・卸売や小売業が8.9%となっています。
お金に換算しますと、県内総生産35兆7171億円の内、製造業が7兆4624億円・不動産業が5兆4773億円・卸売及び小売業が3兆1708億円ととてつもない数字です。

また、後述しますが神奈川県では建設業者が多いことでも知られており、製造関連や不動産関連のビジネスが盛んに行われていることがうかがえます。
なお、ご存じの方も多いかと思いますが、世界に名だたる自動車メーカーである「日産自動車株式会社」の本店所在地も神奈川県(神奈川県横浜市神奈川区宝町)です。

全国3位の建設業者数

都道府県別建設業許可業者数グラフ
出典国土交通省・令和3年5月17日発表報道資料
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00044.html

国土交通省が発表しているデータによると、令和3年3月末時点での全国の建設業許可を取得している業者の数は493,952業者、その内神奈川県の建設業者は28,306業者でした。
これは東京都(43,428業者)・大阪府(39,525業者)に次ぐ数であり、割合にすると全体の6.0%となります。

製造業や不動産業が盛んなこともあり、建設業関連の企業も非常に多いようです。
一方で、ピーク時である平成12年3月末時点に比べると業者数自体は減少傾向(▲13.1%)にあるようで、安定した経営が今後の課題と言えるでしょう。

県内総生産はフィリピンに匹敵
世界各国のGDPグラフ

神奈川県内の平成30年度時の総生産を米ドル換算すると「3221億ドル」となります。
これは世界各国別のGDP(国内総生産)では「チリ(2983億ドル)」「フィリピン(3309億ドル)」に匹敵する数字で、日本国内のGDPが4兆9564億円ですので、全体の6.4%ほどが神奈川県によって生み出されている計算です。

経済活動別の増減率グラフ

前年度に対する増減率は、主たるビジネスである製造業・不動産業・建設業はほぼ横ばいで、保健衛生や社会事業及び金融・保険業などの事業が大きく生産を伸ばした一方で、農林水産業が大きな下落を見せています。

資金調達の選択肢が広い

下町の町工場

神奈川県は日本屈指のビジネス街ということもあり、横浜市を中心に地方銀行や消費者金融など、数多くの金融機関が存在しています。
したがって資金調達の選択肢が多いエリアであると言え、ファクタリングだけではなく、様々な方法から検討することが可能です。
企業の状況や求める条件、コスト面とのバランス等を総合的に見ながら最終的な判断をくだすと良いでしょう。

なお、東京が近いためか、神奈川県を本拠地にするファクタリング会社は多くありません。
東京のファクタリング会社は神奈川県全域に対応しているケースがほとんどですので、ご利用の際は東京を含めて比較・検討することをおすすめいたします。

製造業の資金調達にファクタリング

製造業や建設業で多く利用されている資金調達方法と言えばやはり「銀行融資」です。
また、製造業の場合は設備機械や土地・家屋、建設業であれば重機などを担保にお金を借りるという手もあります。

一方で、これらの業種は赤字に転じると「貸しはがし」、万が一お金を返せなければ「担保の権利が喪失する」等の恐れがありますので、慎重に検討する必要があるでしょう。
さらに、銀行融資の審査は厳しく、新規事業者若しくは事業規模の小さい企業、赤字状態等の場合は利用を断られてしまうケースも多く存在します。

安定的な長期運営、大規模な設備投資等であれば銀行融資が適しておりますが、ちょっとしたつなぎ資金であれば是非ファクタリングを活用してみてください。

日本を支える製造業の県

昔ながらの町工場、大規模な工場、製造施設が数多く存在する神奈川県。
また、多くの建設業者が存在しているという点も同エリアの大きな特徴であり、まさに「モノづくりの県」です。

家賃も東京に比べて低いため、中小企業にとってビジネスしやすいエリアと言えるのではないでしょうか。 ビジネスの特徴や商習慣、いざという時の資金調達方法をしっかりと押さえ、是非成功を収めてください。