24時間営業は絶対なのか|苦境に立たされるコンビニオーナー

コンビニは、多くの人にとって24時間いつでも利用可能な大変便利なサービスです。しかし、2019年に大阪のセブンイレブンにおいて大きな改革が起こりました。これから先のコンビニの形態はどのように変わるのか考察します。

大阪のコンビニで起こった問題

建設中のコンビニ

24時間いつでも食料品や日用品が購入でき、私たちの生活に欠かせない存在であると言える「コンビニエンスストア」。
大手3社の間では「24時間営業は大前提」とされており、これまで大手加盟店では必ず24時間営業が実地されていました。

しかし2019年2月、大阪府のあるコンビニで当常識が覆される出来事が引き起こされます。
それは、府内にある大手コンビニ加盟店のオーナーが「独断で24時間営業をやめる」という驚くべき行動でした。
24時間営業という業界では当たり前であった常識に大きな風穴を開けると共に、様々な方面で議論を巻き起こす事件となったのです。

24時間営業を止めたのは何故か

同コンビニオーナーは大手コンビニチェーン「セブンイレブン」とフランチャイズ契約を締結しておりましたが、営業時間の変更は明らかな契約違反です。

40年以上もの間守られていたコンビニの24時間営業。
オーナーは何故この暗黙のルールを破ったのでしょうか。 そこには、コンビニ業界が抱える大きな闇がありました。

人手不足による営業不能

時短営業に至った最も大きな理由は「人手不足」です。
最愛の妻をガンで亡くす・主力として頼っていた学生アルバイトが一斉に辞めてしまった等の不幸が重なりどうしても営業が続けられなくなってしまったのです。

しばらくはご自身が空いたシフトを埋める形で対応していたものの、同オーナーも高齢であり、その穴を全てカバーするには至りませんでした。
体力面・精神面共に疲弊しきったオーナーは、やむにやまれぬ形で営業時間を6:00~翌1:00の19時間営業へと改めることになります。

本部との軋轢の中、賛否が集まる

「契約違反になります。」

時短営業に踏み切った当日、契約を破ったオーナーに対し、本部から来た担当者は“契約解除”や“莫大な違約金”を突き付けます。
オーナーはこの時、担当者に経営状態を改善するための救助を求めましたが、その言葉もむなしく、本部は助けを拒み現実を突きつけるのみです。

しかし、このようなコンビニの闇については多くのメディアでも取り上げられてきた問題であり、同騒動に各メディアはいち早く反応しました。
この問題が全国に波及したことで状況は一変し、本部は「一度きり」を条件に救助を許諾したのです。

また、全国からはオーナーを励ますメールや手紙を受け取るなど、様々な意見がオーナーの基に集まる流れとなり、社会にとって働き方を改革する大きな契機ともなりました。

本部の優位は変わらず

コンビニ本部の社員のイメージ

奮闘もむなしく、結果的に同コンビニは2019年中に契約を解除されてしまいます。
「時短営業は、フランチャイズとしての責任を果たさず、本部のブランドに大きな傷を負わせた重大な違反行為である」が契約解除の理由でした。

オーナーは、勝利はおろか、ただ処罰される形となってしまったのです。
こうした騒動が世間に波及して良くも悪くも様々な意見を生みました。
この騒動が契機となり、現在のコンビニ大手3社の意識には変化が生まれ、希望する店舗には時短営業を認める形にルール変更がなされています。

また、世の中は新型コロナウイルスの影響で柔軟な働き方を余儀なくされています。
試験的な時短営業の導入、そして新型感染症の猛威を振り切った先の“未来のコンビニ”では、本部の思惑だけに囚われない地域の特色を加味した柔軟な営業形態が追求されていくのではないでしょうか。

コンビニとファクタリング

コンビニとファクタリングですが、残念ながら相性はイマイチです。
なぜならば、コンビニは仕入れた商品をその場で不特定多数の人に販売するため、まとまった売掛金が発生する可能性が低いためです。

考えられる手としては「クレジット会社に対して有する債権(クレジットカード売上)」をファクタリング会社に買い取ってもらうという方法が挙げられますが、売上や費用が監視されている大手コンビニのフランチャイズでは難しいでしょう。

本部の干渉を受けることがない「個人店」であれば問題ありませんので、是非検討してみてはいかがでしょうか。