違法性が高い?給与ファクタリングが「グレー」である理由

給料日前や冠婚葬祭前など、どうしても現金が必要なタイミングは訪れます。なんとしてでも借金せずにお金を工面したいものですが、給料ファクタリングの検討に至った場合は違法性についても考慮した上で利用せねばなりません。

給与ファクタリングとは

給与ファクタリングでお金を手に入れたイメージ

債権譲渡と聞くと、経営者の方は“ファクタリング”を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、債権には様々な種類があり、売却できる債権は企業間取引におけるもの(売掛金や未収金など)に限定されているわけではありません。

今回ご紹介したい取引は、“個人”の給与債権をファクタリング会社に対して売却する「給料ファクタリング」についてです。
どのような取引なのか、違法性は無いのか、トラブル事例等についてご紹介していきたいと思います。

給与ファクタリングの違法性

給料ファクタリングは、会社員が毎月発生する給料、つまり“会社に対して賃金を請求できる権利”をファクタリング会社に売却してお金を得るという取引です。
実際のところ給料を第三者に売却を販売する行為に違法性はあるのでしょうか?

結論から申し上げますと、給料ファクタリングそのものを禁止した法律はありません。
しかし、ファクタリング業協会が金融庁に対して違法性の照会を行ったところ「手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法に該当する」とし、貸金業に該当すると回答しています。

参考「金融庁:給与ファクタリングについて」
https://www.fsa.go.jp/common/noact/ippankaitou/kashikin/02b.pdf

このように、金融庁も給与ファクタリングの違法性に懸念を示しており、条文は無いもの現状ですと“グレーゾーン”と言わざるを得ません。
今後の判例、法整備に注目が集まっています。

※追加情報
東京地方裁判所は、2020年3月24日に給与ファクタリングについて、貸金業法及び出資法違反で契約は無効となり、刑事罰の対象となる判決を言い渡しました。
今後の裁判情報についても適宜お伝えしてまいりたいと思います。

労働基準法の観点から見る違法性

上記ノーアクションレター(回答書)でも取り上げられているように、本題を論議するには「労働基準法」にも触れておかねばなりません。

労働基準法第24条には、賃金支払いにおける5原則が明記されています。
中でも“賃金は直接労働者に支払わなければならない”という「直接払いの原則」を鑑みると、給料ファクタリング業者が労働者の勤務先に債権の支払いを要求することは出来ないという結論になります。

闇金業者の隠れ蓑に

さらに、厳しい取立てを行っていた給与ファクタリング業者が逮捕されたという事例(ただし、罪状は「出資法違反」)も確認されています。

ファクタリング自体は法律で認められた有効な取引ですので、ファクタリングを口実に違法な取立てを行う闇金業者が急増してしまった格好です。 仮に利用者がヤミ金業者につけ込まれてしまったら、返済地獄から抜けることは容易ではありません。

給与ファクタリングは危険」というリテラシーを持ち、サービス利用の可否をしっかりと見極めることが重要です。

後規制対象となる可能性は高い

規制される可能性が高い給与ファクタリング

結論として給料ファクタリングは今後法律で規制される可能性が高いと考えます。
また、規制はされていなくとも、現状でヤミ金との繋がりがある業者が見受けられるあたり、すでに危険性は周知され始めています。
「規制される前に利用しなくては」という考えは決して持たず、どうしても資金繰りに困ったら銀行や大手金融機関などの正しいルートで借り入れるようにしてください。