ヤミ金に注意!悪質業者の偽装ファクタリングの手口

悪質業者が最も行う手口である「偽装ファクタリング」は、ファクタリングの名を騙ったヤミ金業務を指す事が一般的ですが、他にも手数料を水増ししたり、契約書には書かれてない違法な金利を請求されたりという手口も確認されています。

偽装ファクタリングとは

ヤミ金業者が多い大阪の街

「偽装」という言葉には様々な意味合いがありますが、ファクタリングに於ける偽装には詐称や誇大表示の他、“ファクタリングを偽装した貸金契約”という意味も含まれます。
特に大阪ではこの傾向が大きく、法改正や摘発で行き場の無くなったヤミ金業者がファクタリングにシフトする事は決して珍しい話ではありません。
大阪府では、ヤミ金業者が用いるファクタリングを「偽装ファクタリング」と呼んでおり、注意喚起を行っています。

手数料の「偽装」も

また、偽装ファクタリングの例として手数料や入金までに要する期間と言ったサービス内容を偽るケースもあります。

“手数料1%以下でファクタリング”

“年中無休24時間営業”

“必ず即日中に対応します”

といった言葉で利用会社を誘引し、実際に申し込むと何かと理由を付けては手数料を引き上げて買取金額を下げたり、不必要な費用を求めて来たりします。
例)法外な登記手数料司法書士報酬根拠が明確でない買取率

また、年中無休や24時間営業を謳うファクタリング会社の多くは「申込みはいつでもOK」という都合の良い解釈で利用しており、緊急時に藁をも掴む思いで連絡をしても、繋がる事はほとんどありません。
露骨にこのような対応を行う業者は稀ですが、ファクタリング会社自体が増加している昨今、利用する際の一つのリスクとして考えておくべきでしょう。

2社間ファクタリングでは特に注意!

危険な契約

債権譲渡を登記によって行うファクタリング方法を2社間ファクタリングと言います。

2社間ファクタリングは、債権譲渡通知又は債権譲渡に対する承諾を得ずに利用会社(債権を有している会社)とファクタリング会社間で取引を行うため、「取引先に債権譲渡した事が知られない」という点が強みでした。
しかしながら、2社間ファクタリングには法的問題点が多い事に加えて、第三者が介入しない事が多い為、悪質ファクタリング会社の良いように契約を締結されてしまう恐れがあります。
理由は以下の通りです。

闇金業者の存在

最も懸念されるのは、やはり「ファクタリングを騙った闇金業者」の存在です。
債権の売買だったはずが、いつの間にか金銭消費貸借契約を結んでおり、後から法外な金利を請求してくるという手口です。
大きく分けますと、以下の2パターンが考えられます。

パターンA

①ファクタリング会社から利用会社への買取代金の引渡し
②債権の売掛先から利用会社への買掛金又は未払金の引渡し
③上記②で受領した金銭をファクタリング会社へ引き渡す
④引渡しの際に法外な金利を請求する

パターンB

①ファクタリング会社から利用会社への買取代金の引渡し
②債権の売掛先が倒産し、売掛代金の受領が不可能になった
③ノンリコースと言っていたのにも拘わらず、ファクタリング会社が利用会社に対し①で引き渡した金銭の返還及び金利を求める。

上記パターンA・Bの場合、初めから金銭消費貸借を締結していた可能性が高いです。
契約書をしっかりと確認し、「金銭消費貸借」「金利」等の文言がありましたら、言葉巧みに貸金契約に誘導されている危険性がありますので、契約内容の確認若しくは中止といった対応を行いましょう。

厳しい取り立てに遭うリスク

取り立てを行うヤミ金業者

後発的な事情により、債権の売買契約が貸金契約となる可能性もあります。
例えば、売掛先の会社からの入金があったのにも拘わらず、「ファクタリング会社へ当該金銭を引き渡さない」というケースです。
この場合、ファクタリング会社は売買代金の返還を求めて回収に動く事になりますが、悪質なファクタリング会社の場合、代表者と再度金銭消費貸借契約を巻き直し、保証人へ催告、不動産や車・事業用機器の差し押さえ等、徹底的な取り立てを行います。
利用会社にも責任はありますが、そもそも貸金業登録を行っていないので、これらを反復継続して行う事は違法です。

貸金業者の調べ方

貸金業の登録は金融庁に対して行いますが、純資産5,000万円以上が必要、貸金業務取扱主任者の設置等、要件が非常に厳しく、「許可を取りたくても取れない業者」が多く存在しています。
登録申請を行っている=優良な金融業者と考えるのは早計ではありますが、厳しい審査をクリアしているため、一定レベルの資金力とコンプライアンスには期待が持てます。
「違法な金融業者では?」と感じたら、金融庁の検索データベースでその業者を検索してみましょう。
検索にヒットすれば許可取得済の業者、ヒットしなければ違法業者です。

金融庁:登録貸金業者情報検索サービス
https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/

ファクタリングと貸金業を同時に営む会社は珍しいですが、貸金業登録している事で金融庁に監督される立場となり、「何かあった場合は金融庁に処分を求める事が出来る」という点で、強力な担保になります。