観光客数推移は増加傾向!関西の今後の課題や取り組み事例を解説
関西の観光客数の推移と今後の展望

※当記事は2023年2月20日時点の情報を基に作成しております。
日本国内ではここ1年、コロナウイルスによって減少していた観光客数が徐々に回復しつつあります。
本記事では、特に関西地方にフォーカスし、観光業の特徴に触れながら観光客の動向を調査しました。
また、関西観光業のさらなる復活のために、今後何が重要視されていくかを解説します。
関西の観光業の特徴

関西は古来の神社仏閣から近代都市まで幅広い観光資源をもっており、独自の活気あふれる気質・自然・食文化を体験するために毎年多くの観光客が訪れます。
二大観光地である京都と大阪がそれぞれまったく違った魅力をもつことも関西の観光を語る上で外せません。
京都は歴史的名所や伝統文化、一方で大阪はテーマパークなどの近代的施設とエネルギッシュな繁華街が特色で、いずれも日本で最も人気のある観光地のひとつとなっています。
そのほかにも兵庫の自然や奈良の鹿など、関西には豊かな観光資源が数多く存在します。
コロナ前後の関西観光客数を振り返る

コロナウイルス流行以前の関西の観光客数は2011年以降増加の一途をたどっていました。
アクセス向上、ビザの緩和、新しい観光スポットの発展などの要因からインバウンド需要が急激に拡大し、2019年には1,230万人もの外国人観光客が関西へ訪れました。
飲食、宿泊業を初めとするさまざまな業種がその利益を享受しており、インバウンドは関西経済の中核を担うビジネスだったと言えます。
しかしながら、コロナウイルスの流行により状況は一変します。
インバウンド需要はもちろんのこと、国内観光客による旅行も劇的に減少しました。
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|---|---|
9,152万人 | 9,788万人 | 11,037万人 | 13,860万人 | 5,545万人 | 4,699万人 |
そして今現在(2023年時点)、規制緩和が行われたことにより観光客数は回復の兆しを見せています。
観光業界全体の本格的再生はまだ道半ばではあるものの、都市部では観光客の増加が比較的強く、今後もどんどん観光客数は増えていくと考えられています。
関西観光客増加の要因

日本国内におけるコロナウイルス感染は収束傾向にあり、先ほども述べたとおり観光客数は徐々に回復しています。
政府が実施した、「GoToトラベルキャンペーン」や観光業者を支援する「観光助成金」なども関西の観光客数増加に一役買っていると考えられます。
また、コロナの流行で海外観光客が一時激減したことにより、国内の需要に焦点をあてたマーケティングに注目があつまるようになりました。
その結果、新しい商品が開発されるなど地域のアイデンティがさらに確立し、新たな層の観光客の誘致につながったといえるでしょう。
さらに海外からの観光客も2022年10月に入国ビザ免除の再開など水際対策の緩和措置が実施され、再び関西に訪れることが可能になりました。
ウィズコロナにおける取り組み事例
観光客がより訪れやすくなるよう、関西の観光地の魅力を積極的・効果的に発信していくことも大切です。
ウィズコロナとしての観光誘致に関する取り組み例をいくつかご紹介します。
大阪観光局によるオンラインでの魅力発信
コロナ禍で、一気に注目されるようになったオンラインでの情報発信ですがウィズコロナでもその活用が求められます。
大阪観光局では、大阪府内等の観光関連事業者を支援するためさまざまなキャンペーンを実施し、公式サイトでの情報・魅力発信に取り組んでいます。
近鉄から観光特急「あおによし」デビュー
コロナ禍の収束を見据え、インバウンド(訪日客)の人気が高まっていた奈良に向け、大阪や京都からの利用を見込んだ観光特急「あをによし」が近畿日本鉄道からデビューしました。
まとめと課題

関西は古来から政治・経済・文化の中心として栄え、数多くの観光資源を有する地域です。
こうした資源を生かした観光業は関西の経済、さらに日本経済において欠かせない重要な役目を担っています。
加えて、関西では2025年の大阪・関西万博などの国際的ビッグイベントも控えておりますので、当面は感染対策を中心に中長期を見据えた対策・計画・行動が望まれるでしょう。
また、コロナ後の課題にばかり目が向きがちな世の中ですが、実は関西の観光地にはコロナ以前からの課題も存在します。
たとえば、京都などの有名な観光地では、観光客による混雑やポイ捨て、騒音、地価高騰など「オーバーツーリズム」と呼ばれる問題が発生していました。
そのようなこれまで課題とされてきた問題も改善に向かうよう取り組んでいく必要があります。
本格的な関西観光の復興のために、コロナ前の状態に戻すということだけではなくそれ以前よりも良い環境を作ることを目標にしていきましょう。